プロポリス

どのプロポリスもほぼ安定したかたちで5つの成分に分けられる。

 プロポリスはミツバチが採集してくる植物の種類によって多少のちがいはありますが、恒常的に安定したかたちで、およそ次のような成分から成り立っています。
@樹脂および芳香油 50〜55%
Aろう       25〜35%
B精油       10%
C花粉       5%
D各種の有機物およびミネラル物質 5%
 このうちの花粉はミツバチの主食として巣箱内にあるものがプロポリスに混入したものであると考えられます。

ミツバチが樹脂を採集した樹木によって、プロポリスの成分は微妙にちがう

 ミツバチが樹脂を採集してくる木は、ポプラやモミやマツ、それにカバノキやカシ、日本ならヤシャブなどが知られています。これらの木の芽や樹皮から集めた樹脂を主原料に、唾液と蜜ろうを合わせてプロポリスをつくります。
 ということは原料によって微妙にプロポリスの成分にちがいがでてきます。またミツバチも一つの樹木からだけ樹脂を採集するわけでなく、いろいろな木から樹脂を採集すると考えられます。よって、どのプロポリスの組成もほぼ一定しているといっても、巣箱が置かれた環境によって、フラボン類などの微量成分に多少の違いがでることは想像できます。
一般にはつぎのような微量成分がプロポリスに含まれることがわかっています。

 

プロポリスの有機物およびミネラル物質は以下の成分からなっています。
@有機酸類 安息香酸、没食子酸
Aフェノール酸類 カフェー酸、桂皮酸、フェルラ酸、イソフェルラ酸、P-クマル酸
B芳香性アルデヒド類 バニリン、イソバニリン
Cクマリン類 エスクレチン、スコポレチン
Dフラボノイド フラポン:アカセチン、クリシン(このためにプロポリスや蜜ろうは黄色を帯びる)、ペクトリナリゲニン、ピノセンブリン、テクトクリシン、フラボノール:グラーガ、イサルピニン、ケムフェノール、クェルセチン、ラムノシトリン、フラバノン、ピノストロビン、サクラネチン、フラバノノール:ピノバンクシン
Eミネラル アルミニウム、バリウム、ホウ素、クローム、コバルト、銅、鉄、鉛、マンガン、モリブデン、ニッケル、セレニウム、シリコン、銀、ストロンチウム、チタニウム、バナジウム、亜鉛
Fビタミン プロビタミンAおよびある種のBグループ、とくにB6、ニコチンアミド
Gその他の成分 キサントルヘオル、プテロスチルベン、ラクトン、ポリサッカライド、アミノ酸など
※イブ・ドナヒューによる

プロポリスを現代人に広めた二人の人物

 古代から近代にいたるまでプロポリスはいろいろな国々で生薬として使われてきました。プロポリスが大きな注目をあびるようになったのには二人の人物の業績が大きく寄与しています。
 一人目は、抗生物質やインターフェロンの研究で有名な、レミ・ショウバン教授(ソルボンヌ大学生化学研究室長)の『昆虫を侵すバクテリアの研究』です。
 二人目はデンマークのK・ルンド・アーガードというメルンという町で区長をしていた人で養蜂家でした。かれはショウバン教授の研究成果にであったころから、プロポリスが様々な効能をもつことを実証して、プロポリスを現代に復活させたのです。

ミツバチの巣が天然の抗生物質に守られていること発見した、レミ・ショウバン博士

レミ・ショウバン博士は1965〜66年にかけて、『昆虫を侵すバクテリアの研究』を行い、その結果、ミツバチの巣からはほかの昆虫とちがって、有害なバクテリアやウイルスが発見されず、その影響もまったく受けていないことを発見したのです。
 さらにペニシリンやサルファ剤の代わりになる新しい薬品の開発を求めて、いろいろな実験を行ったところ、ミツバチがある種の抗生物質特性をもっていることを発見したのです。
 ミツバチは7種類の物質、はちみつ、ローヤルゼリー、花粉、蜂ろう、プロポリス、蜂毒、ミツバチ自身から抽出されるものが天然の抗生物質特性をもっていて、ミツバチの群れを病原菌から守っているのことが明らかになりました。

密集状態で生活するミツバチの群れの健康を守るプロポリス。

 ミツバチの生態を知らない人は、ミツバチの巣が天然の抗生物質によって守られているという発見にピンとこない人もおおいかと思います。
 というのはミツバチの巣箱は約5万立方センチメートルの大きさですが、その中に2〜5万匹のハチが球状に重なり合って、四季を通じて球の中心の温度を育児に最適な34℃に保ちながら密集状態のなかでミツバチは生活しているからです。
 そうした中に病原菌などがはいりこめば大変なことになります。それを防いでいるのがプロポリスをはじめとする、7つの天然の抗生物質なのです。

ミツバチは天然の抗生物質で遺伝子を守り、約4千万年前から生き続けている。

 ミツバチが超過密状態のもとで病原菌を寄せ付けずに生活しているのは大変驚異的なことです。しかしさらに驚異的なことがあるのです。
 ミツバチたちがこの地球に誕生したのはいまから4千万年前のことであると考えられています。じつにその時代から現在に至るまで、ミツバチは化石などを調べてみてもほとんど姿を変えることなく、この地球に生存し続けているのです、
 人類の祖先はいまから約400万年前のことで、猿人から現代人へと姿を変えてきています。その約10倍の年代を病原菌やウィルスによってからだを侵されたり、遺伝子に対しても悪さをされないよう、自らが作り出す天然抗生物質で守ってきたのです。この事実は、じつに素晴らしいことです。

プロポリスは、ミツバチの巣の玄関に取り付けられた、殺菌用足ふきマット。

 レミ・ショウバン教授が、ミツバチの産品に天然の抗生物質があることを解明したことから、プロポリスのミツバチの巣における働きも再確認されました。
 ミツバチたちは巣房の出入り口をプロポリスでかため、風雨や外敵から身を守るのに都合が良い形と大きさにつくります。
 ところがその役割は物理的な意味だけのものではありませんでした。女王蜂を中心とした群れの健康を守るため、巣の出入り口におかれた抗菌作用をもつ足ふきマットの役割をしていることが明らかになったのです。
 ミツバチたちは巣を出入りするときは必ず体の一部がプロポリスに触れることになり、知らないうちに病原菌の殺菌をしていたのです。

巣箱のなかに侵入した粗大ゴミ、ヘビやネズミの死体もコーティングして腐敗予防する。

 ミツバチは、巣箱を修理したり外敵から守るためにプロポリスを使っています。
 ミツバチの巣箱の中は大変にきれいで、排泄なども巣箱内では行わないことが知られています。そんな巣箱に闖入し、ミツバチに攻撃されて死んだ昆虫や、小動物のうち、巣箱外に運び出せない粗大ゴミは、腐敗予防をするためにプロポリスによって完全にコーティングされてしますことがあるのです。いわばミイラにしてしまうのです。

プロポリスは加熱処理しても効果に変わりはない。

 プロポリスの抗菌作用の研究で知られる、ピエール・ラビ博士は、プロポリスは加熱してもこの効果に変化がないことを発表しています。例えば120℃で30分間蒸してもまったく変化はないといいます。このことは食事のなかにもプロポリスを調理して入れることができることを意味していて、家庭での幅広い活用が期待できます。