プロポリス

プロポリスとはミツバチの生産物の一つです

ミツバチの生産物というと、まず、はちみつ、ローヤルゼリー、花粉、蜂蝋(蜜蝋)あるいは蜂毒といったものがあります。プロポリスはそういった生産物の中の一つなんです。
日本の養蜂家はかつてプロポリスのことをたんに「蜂ヤニ」と呼んでいたそうです。

プロポリスは、ミツバチの都市を防衛するための補修剤

 プロポリスは養蜂が盛んだった古代ギリシャで作り出された言葉です。プロ(Pro)には『前の』、ポリス(Polis)には『都市』という意味があり、合わせて『都市を防衛するもの』という言葉ができあがりました。
 ミツバチは女王蜂を中心とした社会生活を行うことはよく知られています。その一つの群れは夏の繁殖の最盛期には数万匹にもなります。一つの巣箱の世界といっても、それはもう立派なミツバチの都市ということができます。
 プロポリスは、ミツバチの巣の中の主に巣門部を中心にみることができます。それは外的や風雨から群れを守るためのミツバチの防水ペンキや雨漏り防止のコーティング材のような働きをしています。

プロポリスはミツバチの巣の中でも王台の部分にたくさん使われている。

 ミツバチは巣房の強度を増すために、蜜蝋ばかりでなく、プロポリスを中に混ぜて、正六角形の巣房の増築を行っています。
 養蜂家に聞くと、プロポリスはミツバチの巣の中でも、将来女王蜂となる幼虫のベッドルームとなる場所、王台に一番多く使われているそうです。

プロポリスは何からできているのか?

 ミツバチがどのようにプロポリスを採集しているのか?樹木や花粉、あるいは分泌物を体内でつくりだしているのか?近年まではっきりしませんでした。
 プロポリスの成分研究が進むにつれて、ポプラやカバノキの樹枝や木の根と同一の成分が発見され、プロポリスの原材料の出所が明らかになりました。
 ミツバチがプロポリスを採集する樹木は、ポプラや、カバノキをはじめ、マツやモミノキなどの針葉樹、ヤナギ、トチ、カシ、スモモなど、日本ではヤシャブシ(カバノキの仲間)が知られています。

プロポリスは樹脂と蜜蝋、各種の酵素を含む唾液分泌物から作り出されている

ではプロポリスはどのようなものかといえば、それは樹木の粘液性の樹脂(木の芽やツボミ、ヤニ)それとミツバチの唾液成分、さらに蜜蝋と花粉が混ぜ合わされて作り出されたものです。
 ミツバチは、とくに春や秋に、樹木の芽や樹皮から分泌される樹脂を口器と呼ばれる口をを使って湿らせて取り、巣に運びます。

プロポリスはシナモンとバニラを合わせたような特有の香りがある

プロポリスは独特の香りをもった物質です。
 はちみつが蜜源となる植物によって、それぞれの味や香りをもつように、プロポリスもミツバチが樹脂を採集した植物によって、香りが多少異なります。
 一般的にいえば、シナモンやバニラなどをまぜたような独特の香りがあります。プロポリスのアルコールや水の抽出液を利用すると、この香りがします。口腔消毒ばかりでなく脱臭用を目的としたプロポリス製品が東欧でつくられているのも、この良い香りがあるからとのことです。
 味のほうは、基調としては樹脂であるため、固い感じの樹木っぽい香りのする味。つまり、強い刺激のあるにがい味がします

プロポリスは一つの巣箱から年間平均100〜300gしか集められない貴重品です。

ミツバチは巣箱に割れ目などを見つけると、そこをプロポリスでふさぎます。巣箱についている金網の部分も、かれらはすぐにプロポリスで塗り込めてしまいます。
 また養蜂家が群れの手入れをするときには、ミツバチが塗り固めて巣箱に固定してしまった、可動式巣板の上端部のプロポリスをヘラでかきとることから作業をはじめるといいます。 そこで、プロポリスを採集するときには、巣箱のなかに採集用のステンレスや、プラスチックの網を入れて、それを塗り込みさせるようにしてプロポリスを採集します。といってもプロポリスは大量にとれるものではなく、一般にひとつの巣箱で1年間に100〜300グラムくらいの採集しかできないといわれています。

さまざまな色合いをもつプロポリスは温度によってかたさが違う

@15℃ 砕けやすいかたまり
A30℃以上 柔軟になり柔らかさと粘性を増す
B60℃以上 溶解をはじめ、100℃以上では溶解する。
プロポリスは温度の変化に伴って、このような特性があります。巣房内を35℃に常に保持しているミツバチは、Aの状態でプロポリスを扱っています。

プロポリスはどんなに大量に摂取しても、毒性のない、きわめて安全な物質である。

ミツバチの作り出すものは、はちみつをはじめ、ローヤルゼリー、花粉、蜜ろう、蜂毒さえ人間に利用されています。プロポリスも古代エジプト時代から数千年のあいだ使用されてきて、毒性がないことは経験的に明らかです。

日本でも世界でもプロポリスは知らないうちに利用されていた。

ミツバチは巣作りをするとき、はちみつを原材料として、体内から分泌したろうを材料に正六角形の巣房をつくりだしますが、このとき、ろうのなかにプロポリスを混ぜて巣の強度を補強します。
 プロポリスを世界に広めたK・R・アーガードは巣を溶かして、ろうそくや化粧品などの材料となるろうを取った後に、黄色いねばねばした良い香りのする物体、プロポリスが残ることを記録しています。
 プロポリスは、プロポリスとして意識しないでつかわれてきました。アレルギー性の鼻炎やぜんそくに、はちみつをとるときに切り取った巣房のフタの部分をかむことが、世界各国の養蜂家を中心とした民間療法としてよく知られています。これは蜜ろうのなかに含まれるプロポリスの効果と考えることができます。